このシリーズのご説明は → こちら をどうぞ。
ブルーノートの鬼才ルディ・ヴァン・ゲルダーによる再録音CDシリーズは、のっけから大御所をエントリーさせております。
5番手にして、あの聖人コルトレーンとなりました。
ブルーノートにおける、唯一のリーダー作。
神に召された聖人、紹介するのが大プレッシャーです・・・・・
やはり、ブルーノートはジャケから楽しめます。
写真と文字とのバランスが絶妙。文字の散らし方、字体と文字色の選定もイイですな。
そして、コルトレーンの表情がなんとも深い。
苦悩する聖人の表情ですが、飴を舐めているようです(^^)
ブルーノートのオーナー、ライオンにアルバム作成を口実に麻薬購入のために前金を貰ったのですが。
随分の時間差にて、このアルバムを作成したそうです。
その間にコルトレーンは素晴らしい成長をしていたので、結果オーライとなりました。
このアルバムでのコルトレーンは、マイルス親分から解放され伸び伸びとプレイしております。
友人カーティス・フラーのボーンが、色添えに貢献しておりますが、
リー・モーガンの鋭いペットが、アルバムを際立ている気がします。
流石にブラス3発は迫力です。
オーナー、ライオンが7回目の録音で終了なのに8回目を要求したそうです。
その「テイク8」が、コルトレーン初期の名盤を生んだ背景のようですな。
十代の頃は馴染めず、バラード盤を聴いた位でした。
よわいを重ねて聴きなおすと許容範囲が拡がっており、全く違う受け止め方ができます。
この後の作品は「究極の愛」、「瞑想」、「昇天」・・・・・誰も立ち入れない世界にまで昇華した聖人。
ストイックな状況が大麻を要求したのでしょうか、40歳で他界とはあまりにも惜しい。
ブルーノート再考100連発、味わい深く楽しんでおります。
ブルー・トレイン
ジョン・コルトレーン
TOCJ 9005